この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
行政書士と中小企業診断士は共に国家資格としても難易度が高く、比較されるケースが多いです。
又、行政書士は法人設立手続き関係の業務を行えることから、中小企業診断士の資格を持っていると、その後は経営コンサルにも関われるので、行政書士と中小企業診断士は相性が良い資格だと言えます。
ただ、行政書士と中小企業診断士では働き方は真逆なので、どちらの資格を取得しようか悩んでいる場合には、資格取得後にどのように働きたいかで決めると良いです。
資格取得後に独立開業したいのであれば行政書士が向いていますし、資格取得後にどこかの企業や事務所で働きたいなら中小企業診断士の方が向いていると言えます。
以下では、行政書士と中小企業診断士の仕事内容や平均年収、難易度などについて比較しながら詳しく解説していきます。
以下で紹介する偏差値・勉強時間・平均年収等は、当ブログが独自に調査した結果に基づいて紹介しています。
行政書士と中小企業診断士の違いを仕事内容で比較
行政書士の仕事内容
- 法人設立手続き関係の業務
- 許認可申請業務
- 外国人雇用申請業務
- 各種契約書作成業務
- 遺言・遺産相続に関する書類作成業務
- その他
行政書士のメイン業務は行政機関に提出する申請書類の作成や権利関係の証明、契約書の作成などです。
そして、行政機関に提出する申請書類の作成は行政書士の独占業務なので、行政書士以外は行えません。
補足
ただし、行政に提出書類でも、他の法律において制限されている書類については作成できません。
中小企業診断士の仕事内容
- 経営コンサルティング
- マーケティング業務
- 中小企業の経営者の相談業務
- 事業計画の策定支援業務
- 金融機関からの融資の支援業務
- その他
中小企業診断士のメイン業務は経営戦略やマーケティング、事業計画の策定などの中小企業のコンサルティングです。
ただ、中小企業診断士には独占業務はなく、中小企業診断士の資格を持っていなくても中小企業のコンサルティングを行えます。
行政書士と中小企業診断士の違いを試験の難易度で比較
行政書士 | 中小企業診断士 | |
勉強時間 | 600~800時間 | 1000~1500時間 |
試験科目 | 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 | 企業経営論/財務・会計/運営管理/経済学・経済政策/経営情報システム/経営法務/中小企業経営・政策 |
合格率 | 10~12% | 3~5%前後 |
偏差値 | 62 | 66 |
行政書士と中小企業診断士の資格取得の何度を比較した場合には、中小企業診断士の方が難易度が高いです。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間は600~800時間と言われているのに対して、中小企業診断士試験に必要な勉強時間は1000~1500時間と言われています。
行政書士試験の特徴としては1次試験しか実施はされませんが、一発勝負の試験となるので、仮に不合格となった場合にそれぞれの科目の得点が良くても翌年に持ち越されることはありません。
一方、中小企業診断士は1次試験はマークシート形式、2次試験の筆記・口述形式に合格する必要がありますが、仮に不合格になった場合でもそれぞれの科目が合格基準を満たしていた場合には、3年以内であれば持ち越せます。
なので、基本的には行政書士試験よりも中小企業診断士試験の方が難易度が高いですが、2~3年で計画的に取得することで少しは難易度を軽減させられます。
行政書士と中小企業診断士の違いを平均年収で比較
行政書士 | 中小企業診断士 | |
平均年収 | 400~450万円 | 450~500万円 |
行政書士と中小企業診断士の平均年収を比較した場合には、中小企業診断士の方が平均年収は高いです。
行政書士よりも中小企業診断士の方が平均年収が高い理由は、中小企業診断士の約7割程度が企業や事務所に勤めているのに対して、行政書士のほとんどは独立開業しているからです。
企業に勤めるとなると最低年収は保証されるので、全体的な平均年収は上がりますが、独立開業するとなると年収はその人の能力次第になるので稼げる人と稼げない人の差が大きく、年収が二極化してしまいます。
結果的に、行政書士として独立した大半の人が企業勤めの人並みに稼げないので行政書士の平均年収は低くなってしまいます。
因みに、行政書士の平均年収は一般的には600万円前後、中小企業診断士の平均年収は700万円前後などと言われたりしますが、これはあくまでも平均値なので年収数千万円といった人も含めた数字なので実情とはかけ離れています。
となると、実際の行政書士や中小企業診断士の年収に近い中央値で比較した場合には、行政書士の平均年収は400~450万円、中小企業診断士の平均年収は450~500万円となります。
行政書士になるなら平均年収は気にしなくていい
上記でも少し触れたように、中小企業診断士になる人のほとんどは事務所や企業で働くのが一般的ですが、行政書士として働く人のほとんどは独立開業します。
つまり、中小企業診断士として働く場合には求人条件と平均年収が近似値になる可能性が高いので、中小企業診断士を目指す場合には平均年収は参考になります。
一方、行政書士として独立開業するなら、あくまでもその人の能力次第なので平均年収よりも稼げない可能性もあれば、年収数千万円を目指すことも可能なので平均年収を気にする必要はありません。
もちろん、中小企業診断士として独立開業しようと考えている人に関しても、年収数千万円を稼ぐことも可能なので気にする必要はないと言えます。
行政書士と中小企業診断士の相乗効果はある?
行政書士と中小企業診断士のダブルライセンスを取得した場合にはある程度の相乗効果はあると言えます。
なぜなら、行政書士は法人設立の手続き関係業務や飲食店の開業届け、建築許可などのいろいろな企業と接点を持つ機会が多いです。
そして、その中にはコンサルティングをして欲しいという顧客もいるはずなので、行政書士として集客することで結果的にコンサル業務の見込み客も獲得できるからです。
ただし、注意点としては中小企業診断士が行えるコンサルティング業務は独占業務ではないので、仮に行政書士が資格を持っていなくても経営コンサルも可能だという点です。
もし、あなたが会社を経営している場合、起業したことはないけど企業経営に詳しい大学教授か、中卒高卒でも実際に数社の企業を経営して上手くいっている経営者のどちらにコンサルして欲しいですか?
恐らく、ほとんどの人は実際に企業を経営している人に教えてもらいたいと思うのではないでしょうか?
つまり、企業コンサルに関しては資格よりも実績が大切なのです。
もちろん、中小企業診断士の資格を持っていることで信頼性の担保にはなりますが、ダブルライセンスを持っていると有利だからという無理に中小企業診断士の資格をわざわざ取る必要はないのかなと個人的には思います。
あなたは行政書士と中小企業診断士のどっちを取得すべき?
どっちの資格を取得したらいいのかというと、大前提として自分がどっちの資格を取得したいかで判断すべきです。
ただ、この記事を読んでいるということは、あなたは行政書士と中小企業診断士のどっちの資格を取得したいのかがわからずに悩んでいるのだと思います。
となると、どっちの資格を取得したらいいかに関しては、資格取得後にどのようにして働きたいのかで判断するといいです。
もし、あなたが資格取得後に正社員としてどこかの企業や事務所で働きたいのであれば、中小企業診断士の資格を取得することをおすすめします。
なぜなら、行政書士の有資格者の求人は少なく、それなのに競争率も高いので正社員として働いてもあまり待遇が良くないからです。
一方、もしあなたが資格取得後に独立開業して働きたいのであれば、行政書士の資格を取得することをおすすめします。
中小企業診断士も独立開業できますが、中小企業診断士は資格の取得難易度が高い上に、独占業務のもありません。
しかも、経営コンサルに関しては資格よりも実績が優先されるので、独立開業する上では中小企業診断士の資格はそこまでアドバンテージにならないからです。
行政書士と中小企業診断士の仕事内容・年収・難易度の違いまとめ
今回は行政書士と中小企業診断士の仕事内容や年収、難易度について比較しましたが、それぞれの資格のメリット・デメリットが少しは理解してもらえたのではないでしょうか?
ただ、どちらの資格においても言えることなのですが、資格を取得しただけでは稼げない時代です。
行政書士資格を取得するにしても中小企業診断士の資格を取得するにしても、その資格にすがるのではなく資格をいかせるスキルを身につけることがより大切になってくることでしょう。
なので、資格を取得した後にそれぞれの資格をどのようにいかしていくかを考えながらどちらの資格を取得するか考えたみてください。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所