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【食えないのは当たり前!?】行政書士が食べていけない本当の理由

 

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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よく、ネットなどでは「行政書士は食えない」などと言われ、行政書士は食えない資格の代名詞となっています。

 

もしかしたら、あなたも「行政書士に興味があるけど、試験に合格して行政書士になっても食えなかったらどうしよう・・・」と心配しているのではないでしょうか?

 

結論から言うと、新規で行政書士に登録した多くの人は食えません!

 

なぜなら、ほとんどの人はマーケティングの知識・スキルを身につけずに行政書士として開業しているからです。

 

ま~、行政書士もビジネスなのでマーケティングが重要なのは当たり前と言えば当たり前の話なのですが・・・。

 

ただ、その中でも行政書士は他の仕事以上にマーケティングスキルが重要な仕事であるにも関わらず、行政書士の資格があれば仕事を取れると思っている人が多いのです。

 

勿論、行政書士という職業がなくならずに存在しているということは、食べていける人も一定数いるのは当たり前の話なので、全ての人が食べていけないというわけではないという前提での話であるとご理解ください。

 

以下では、多くの行政書士が食えない現状や、行政書士が食えない理由、他の仕事よりも行政書士にマーケティングが重要な理由について詳しく解説していきます。

新規で登録した
ほとんどの行政書士は食えない!

 

冒頭でも言った通り、行政書士に新規で登録した人のほとんどは食えません。

 

これは、決して私の個人的な意見を言っているわけではなく、客観的なデータに基づいた事実です。

 

日本全国の行政書士が登録する行政書士連合会では、行政書士の実体を調査する為に定期的にアンケート調査を実施しています。

 

そして、少し古いデータですが1994年の5月に実施されたアンケートでは、行政書士の年商の割合について以下のような調査結果が出ています。

 

  • 年商100万円未満・・・40.4%
  • 年商101~300万円未満・・・22.4%
  • 年商301~500万円未満・・・11.7%

 

このアンケートは新人に対してだけ行われたものではなく、ベテランも含めた行政書士に対して行われたものです。

 

そして、上記の結果を見てもらうと分かるのですが、年商が300万円未満の行政書士が全体の62%もいるのです。

 

しかも、これは年商であって年収ではありません。

 

つまり、ここから更に経費などを差っ引いた金額が年収となるわけです。

 

因みに、かなり昔のでデータだから「今なら違う結果が出るのでは?」と思ったかも知れませが、、、

 

残念ながら、今現在もほとんど変わっていない可能性が高いです。

 

というのも、2015年、2018年に同じようなアンケート調査が行われているのですが、その際のアンケート結果は以下のようになっています。

 

年間売り上げ 人数 割合(2018年) 割合(2015年)
500万円未満 3415人 78.8% 78.0%
1000万円未満 492人 11.3% 11.4%
2000万円未満 230人 5.3% 5.0%
3000万円未満 80人 1.8% 1.9%
4000万円未満 35人 0.8% 0.9%
5000万円未満 23人 0.5% 0.6%
1億円未満 36人 0.8% 0.7%
1億円以上 11人 0.3% 0.3%
未回答 16人 0.4% 1.2 %
合計 4338人 100% 100%

出典月刊 日本行政2018年10月号

 

2015年、2018年のアンケートでは500万円未満が一括りにされていて、内訳の最小値が100万円未満ではなく、500万円未満に変更されてしまっています。

 

なので、年商が500万円未満の人の詳しい内訳は分かりません。

 

しかし、1994年のアンケート結果から考察すると、2015年、2018年も年商300万円未満が60%程度いる事が推測できます。

 

というのも、1994年のアンケートにおいて、年商500万円未満の人の割合は74.5%で、2015年、2018年の年商500万円未満の割合(78~78.8%)とほとんど同じなのです。

 

ということは、2015年、2018年においても年商が300万円未満の人が1994年の時の同じように全体の60%程度はいると考えるのが自然ではないでしょうか?

年商300万円未満で
食えるというのは厳しい

しかも、この数字は“年収”ではなく“年商”です。

 

つまり、経費などを支払う前の売り上げであり、年収で言うともっと少ないというわけです。

 

例えば、大卒の初任給の平均は20万円なので、ボーナスがなかったと仮定して年収は240万円です。

 

22歳前後の一人暮らしであれば確かに年収が240万円でも食っていけると思います。

 

しかし、結婚していたり、子供がいたりする場合に年収240万円では食っていくのはかなり厳しいのではないでしょうか。

 

つまり、必死に行政書士になる勉強をして、難しい試験に合格したけど、大卒の新入社員くらいの収入しか稼げない可能性があるというわけです。

 

しかも、多くの人が考える「食っていける」の定義は、物理的に食事を食えるかどうかではなく、“ある程度生活に余裕を持って食っていけるか?〟だと思います。

 

そう考えると、半分以上が年商300万円未満である行政書士という職業は、多くの人がイメージする「食っていける職業」に該当するとはいえないのではないでしょうか?

 

これが、私が「新規で行政書士に登録した多くの人は食えない」と冒頭で行った話の根拠です。

行政書士は食える
という意見もあるけど・・・

 

ネット上では「行政書士は食えない」という意見も多いですが、「行政書士は食える」という意見も結構あるので、その点についても触れておこうと思います。

 

「行政書士は食える」と言っている人の中には、主に以下の2つのパターンがあります。

 

  • 行政書士として食えている人がいるという真っ当な意見
  • 行政書士試験の受験者を増やすためのポジショントーク

 

行政書士として稼げている人がいる
という真っ当な意見

まず、「行政書士は食える」という意見の中で最も多い意見が、行政書士の中にはかなりの金額を稼げている人もいるという意見です。

 

行政書士でかなり稼げている人がいるということは、“行政書士という職業が食えないわけではなく本人次第だ!”というロジックですね。

 

確かに、行政書士の中にはかなりたくさん稼いでいる人もいます。

 

実際に、ここまでに何度か紹介した日本行政書士連合会のアンケートでも以下のような結果が出ています。

 

2018年のアンケート結果

  • 年商1001~2000万円未満・・・5.3%
  • 年商2001~3000万円未満・・・1.8%
  • 年商3001~4000万円未満・・・0.8%
  • 年商4001~5000万円未満・・・0.5%
  • 年商5001~1億円未満・・・0.8%
  • 年商1億円以上・・・0.3%

 

上記を見てもらうと分かりますが、確かに行政書士としてたくさん稼いでいる人もいるので真っ当な意見だと思います。

 

しかし、上記は専業で行政書士をしている人だけではなく、弁護士や税理士などの他の資格との兼業をしている人も含まれています。

 

更に、行政書士という職業がなくならずに存在している以上、食べていけている人が一定数いることは当たり前なので、この理論で「食える職業」というのはちょっと強引かと思います。

 

例えば、YouTubeでヒカキンのように数十億円稼いでいる人がいるから、YouTubeは稼げると言っているのと同じ論法です。

 

食えている人がいるので間違った理論ではないのですが、正直、これだと参考になる意見だとはいえないですよね?

 

むしろ、行政書士が食えるかどうかを知りたい人は、本当に食えている人がいるかを知りたいわけではなく、行政書士として食べていくことがどれぐらい難しいのかを知りたいのではないでしょうか?

行政書士試験の受験者を
増やすためのポジショントーク

次に、「行政書士は食える」と言っている人に多いのが、行政書士試験の受験者を増やす為のポジショントークです。

 

「行政書士は食えない」ということが世間一般に知れ渡ると、ほとんどの人は必死に勉強して行政書士試験を受けようとは思わないですよね?

 

だって、せっかく一生懸命勉強して合格しても、行政書士として食べていけないのであれば資格を取得する意味がないからです。

 

そうなってしまうと、資格ビジネス業界の人は儲からなくなってしまうので、「行政書士は食える」と言っているケースが多いです。

 

特に、行政書士は仕事内容についてはあまり詳しく知られていませんが、知名度に関しては資格の中でも高い方なので、資格ビジネス業界としては稼ぎ頭の資格なのです。

 

だから、「独立開業できる!」「年収1千万円以上も可能!」と宣伝することで、多くの人に行政書士試験を受験させて、顧客を増やすマーケティング戦略を取っているわけです。

 

実際に、ネットで「行政書士 食えない」と検索してもらうと分かるのですが、資格スクールや資格紹介サイトなどのが「行政書士は食える」と言っているケースが多いです。

 

このように、行政書士の中には確かに食べていける人もいるにはいるのですが、食べていくことが難しい資格であるというのが実態だと思います。

食えないのは当たり前?
行政書士が食えない理由

 

行政書士が食えない最大の理由は、マーケティングスキルを身につけずに「行政書士」の資格があれば仕事が取れると思っている人が多いからです。

 

マーケティングとは、商品(サービス)が売れるように、市場調査・商品開発・ターゲット選定・広告宣伝等を行い、効率的に顧客に価値を提供することです。

 

分かりやすい例で言うと、レストランを出店する場合に「どこに出店するのか?」「何料理を扱うのか?」「どんなメニューか?」「価格帯はいくらなのか?」「ライバル店の状況はどうか?」などを徹底的にリサーチし戦略をたてて出店しますよね?

 

これらを何となく適当に考えてレストラン出店した場合、恐らく、ほとんどのレストランは潰れてしまいます。

 

でも、行政書士を開業する人の多くは、こういったマーケティングを行わずに、行き当たりばったりで開業している人がかなり多いのです。

行政書士の数は年々増加している

多分、昔はこういったマーケティングの知識やスキルがなくても、行政書士として食える時代もあったのだと思います。

 

なぜなら、昔は行政書士の数が少なかった上、今のようにネットで簡単に情報収集できないので、顧客は近くの行政書士に依頼する以外に選択肢がなかったからです。

 

しかし、今は状況が全く違います。

 

行政書士の登録者数は2019年時点で48,768人と、1989年(3,4515人)の30年前と比較すると1.4倍に増えています。

 

因みに、全国にあるセブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの数を合わせると52,000店舗程度なので、行政書士の数は大手コンビニの合計数並みに多いのです。

 

しかも、ネットを調べればたくさんの行政書士事務所が表示され、場所やサービス内容、価格を簡単に比較でき、自分に最適の行政書士事務所を見つけられるのです。

 

つまり、行政書士が増えている上、そんな数ある行政書士事務所の中なら自分の事務所を選んでもらうためのマーケティングをしなければならないのです。

行政書士におけるマーケティングの重要性

 

しかも、行政書士は他の仕事以上にマーケティングを重要とする職業です。

 

その理由は以下の2つです。

 

  • 行政書士の求人は少なく、独立開業の選択肢しかない
  • 行政書士の業務自体で差別化が難しい

 

行政書士の求人は少なく
独立開業の選択肢しかない

例えば、弁護士や司法書士、税理士などは求人があるので、独立開業せずに他の事務所で雇われて働くという選択肢もあります。

 

そうすると、自分でマーケティングなどをしなくても年収400円〜600万円、資格によっては800万円〜1000万円貰える事もあるので食べていけるでしょう。

 

しかし、行政書士に関してはそもそも求人がすくない上、待遇についても一般企業の新卒社員程度の給料しかもらえないところがほとんどです。

 

つまり、待遇の悪い労働環境で働くか、自分で独立開業するかの選択肢しかないので、独立開業を選択肢する人がほとんどなのです。

 

そして、独立開業する人が多いということは、自分でビジネスの舵取りをするわけなので、他の資格よりもマーケティングが重要になる可能性が高いのです。

 

行政書士の業務自体で
差別化が難しい

行政書士が他の資格よりもマーケティングが重要なもう一つの理由は、行政書士の業務自体で差別化が難しいという点です。

 

行政書士のメインの仕事である「行政に提出する書類の作成」というのは、作成方法や提出書類等が行政によって決められているので、業務自体では差別化が難しのです。

 

つまり、平たく言うと、誰がやっても同じ結果になる可能性が高い仕事なのです。

 

もちろん、仕事内容によっては差が出る業務もあるので一概に全ての業務がそうだというワケではありません。

 

しかし、多くの業務はそういった面があります。

 

というのも、行政手続きにおいては人によって差を設けることは望ましくないからです。

 

なので、誰がやっても同じ結果になる仕事を自分に依頼してもらうためには、他の行政書士ではなく自分でなければ提供できない価値をマーケティングによって生み出さなければならないのです。

 

これが、行政書士が他の資格よりもマーケティングのスキルが需要な理由です。

マーケティングスキルがあれば
行政書士で食える可能性が高い

 

ここまで、行政書士に関するかなりネガティブな事実を紹介してきました。

 

もしかしたら、この記事を読んで行政書士に対する興味がなくなってしまったかも知れません。

 

しかし、行政書士で開業するということは、ビジネスを起業するということなので、他のビジネスと同じく決して簡単な事ではありません

 

実際に、一般的なビジネスにおいても、起業から3年後の会社生存率は50%とも言われているので、自分でビジネスを立ち上げて食べていくということはそういうことなのです。

 

ただし、私はそういった自分でビジネスを立ち上げて起業するのであれば、行政書士はマーケティングスキルさえあれば、他のビジネスと比較すると食っていける可能性が高いと思っています。

 

というか、そう思っていなければ私は行政書士になっていません!

 

では、行政書士が他のビジネスよりも食っていける可能性が高い理由とは何かというと、行政書士が成功しやすいビジネスモデルの要件を満たしているという点です。

 

成功しやすいビジネスモデルの要件

  • 利益率の高い商売
  • 在庫を持たない商売
  • 定期的に一定額の収入が入ってくる商売
  • 資本ゼロあるいは小資本で始められる商売

 

この4つの要件は実業家である堀江貴文氏がブログで紹介していた成功しやすいビジネスモデルの要件です。

 

詳細に関しては『【朗報】行政書士で独立開業すると他のビジネスより成功しやすい理由』の記事で解説していますが、要するに他のビジネスよりも低リスクで事業が始められるので、マーケティングさえしっかり出来ていれば食べていけるというわけです。

 

ですので、行政書士は資格だけで仕事が取れると思っている人は「食えない」ですが、マーケティングを身につけて戦略的に戦えば「食える」可能性が高い職業なのです。

食えないのは当たり前!
行政書士のマーケティングの重要性!
まとめ

この記事のまとめ

  • 新規で登録したほとんどの行政書士は食えない
  • 登録している行政書士の60%以上は年商300万円以下
  • 行政書士は仕事内容での差別化が難しくマーケティングが重要
  • 行政書士はマーケティングができれば食べていける可能性が高い
  • この記事を書いた人
長島 雄太

長島 雄太

行政書士兼ウェブマーケター。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。

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