在留資格/ビザ

【入国できない?】上陸拒否事由の種類と該当する場合の対処法とは?

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。取り扱い業務は国際業務(在留資格・ビザ)、古物商許可。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。

 

外国人は誰でも日本に入国できるわけではなく、日本に入国する為の要件が設けられています。

 

そして、その要件の中でも特に注意しなければならないのが「上陸拒否事由」です。

 

なぜなら、上陸拒否事由に1つでも該当した場合には、原則として日本への上陸が認められないからです。

 

ただし、上陸拒否事由に該当した場合に絶対に日本への入国が認められないというわけではなく、特別の事情がある場合には例外的に入国が認められるケースがあります。

 

この記事では、日本への入国が認められない上陸拒否事由の種類や、上陸拒否事由に該当する場合の対処法について分かりやすく解説します。

該当すると日本に入国できない
上陸拒否事由の種類とは?

 

日本の法律では、外国人が日本に入国する自由は保障されていません。

 

つまり、ある外国人の入国を認めて、ある外国人の入国を認めないという事は国が決めることが出来るというわけです(もっとも、何の根拠もなく自由に決めることができるのではなく、しっかりとした理由がある事が前提ですが。)。

 

そして、日本への上陸を認めない外国人の類型は大きく分けると以下のような4つに分けることが出来ます。

 

  1. 保険・衛生上的に問題がある
  2. 反社会性が強い
  3. 過去に日本から強制的に追い出された
  4. 日本の利益や安全を害する恐れがある

 

更に、この4つの類型を詳しく定めたものが『上陸拒否事由』と呼ばれ、上陸拒否事由のどれか1つでも当てはまった場合には、特別な事情がある場合を除いて日本に入国することが出来なくなります。

保険・衛生上的に問題がある

以下に該当する外国人は日本に上陸することは出来ません。

  1. 新型インフルエンザや指定感染症、新感染症の疑いがある人
  2. 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く人で同伴者がいない人
  3. 貧困者や放浪者で、国や公共団体から生活の支援を受けなければ生活できない人

 

国は国民の利益や安全を守る必要があるので、上記に該当する外国人は日本に入国することが出来ません。

 

特に最近では、コロナウイルスの流行により、国外からのウイルス感染を抑制しようと、①のような感染症による上陸拒否が行われています。

 

又、その他にも、③のように外国の貧困者や放浪者の日本への上陸を許可すると、生活保護などの需給により、国や公共団体の負担となる可能性があるので上陸拒否事由として規定されています。

 

実際に、過去には日本の生活保護を受給するために集団で日本に入国したという事例があります。

 

そうなると、日本国民の利益が大きく損なわれかねないので、特に入国後の生活費等の支払い能力があるかどうかを厳しく審査されるようになっています。

反社会性が強い

以下に該当する外国人は日本に上陸することは出来ません。

  1. 日本又は外国の法律に違反して1年以上の懲役・禁固又はそれと同じような刑に処されたことがある人
  2. 麻薬、大麻、覚せい剤などの薬物の使用により刑に処されたことがある人
  3. 麻薬、大麻、覚せい剤などの不法に所持する者
  4. 売春、売春の斡旋や勧誘、売春の場所を提供するなどの業務に従事したことがある人
  5. 人身取引や、人身取引を助けたことがあるも人
  6. 銃砲、刀剣類、火薬類を不法に所持する人

 

反社会性が強い外国人の入国を許可すると、日本国内の治安が悪化する可能性があるので、上記に該当する反社会性が強い外国人は上陸が拒否されます。

 

ただし、上記のような刑に処された場合に、執行猶予が与えられるケースも珍しくありません。

 

執行猶予とは

執行猶予とは、有罪の判決が確定しても事情を考慮して一定きかんだけ刑の執行を猶予し、その間に事件・事故を起こさなければ刑の言い渡しの効力が失われる制度。

 

執行猶予期間を何事もなく経過すると刑の効力が消滅するので、上陸拒否事由に該当しないかのように思われます。

 

しかし、この上陸拒否に関しては、例え執行猶予により刑の効力が消滅しても、過去に刑が言い渡されたという事実がある以上は上陸拒否事由に該当してしまいます。

 

ですので、執行猶予が付いたから大丈夫だと安心して出国してしまうと、再入国の時に上陸が拒否されてしまうので注意が必要です。

 

又、④の売春に関しては回数や期間は関係なく、1回だけであっても上陸拒否事由に該当し、しかも、刑に処されたかどうかは関係ありません。

過去に日本から強制的に追い出された

以下に該当する外国人は日本に上陸することは出来ません。

  1. 麻薬、大麻、覚せい剤、砲、刀剣類、火薬類等を不法に所持していたことにより過去に入国を拒否されてから1年が経過していない人
  2. 退去強制事由に該当する場合に出国命令により、自ら出国して1年が経過していない人
  3. 過去に法律に違反して退去を強制させられてから5年が経過していない人
  4. 過去に何度か退去を強制させられたことがあり、前回の強制退去から10年が経過していない人
  5. 住居を侵す罪、 通貨偽造の罪、 文書偽造の罪、 有価証券偽造の罪、 支払用カード電磁的記録に関する罪、 印章偽造の罪、賭博及び富くじに関する罪、殺人の罪、傷害の罪、逮捕及び監禁の罪、略取・誘拐及び人身売買の罪、窃盗及び強盗の罪、詐欺及び恐喝の罪、盗品等に関する罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、ピッキング防止法の罪、自動車運転死傷行為処罰法の罪で懲役又は禁錮に処する判決の宣告を受けた人(ただし、日本人の配偶者や永住者、永住者の配偶者、定住者等は除外)

 

日本には法律を守らなかった外国人を強制的に海外に出国させることができる「退去強制」という制度があります。

 

そして、この退去強制の制度によって、日本から出国させられてしまった外国人は5年間は日本に上陸することが出来ません。

 

又、過去に退去強制を何度かされたことがある人(リピーター)に関しては、10年間は日本に上陸することが出来ません。

 

一方で、自分が退去強制させられる事由に該当することを自ら申告し、自主的に日本から出国した人に関しては、1年で日本に上陸することができるようになるなります。

 

そして、⑤の該当する犯罪を犯した場合にも上陸拒否事由に該当する為、日本に入国することが出来ません。

 

ただし、日本人の配偶者や永住者、永住者の配偶者、定住者などの、地位・身分に分類される在留資格を持っている人に関しては除外されています。

 

これは、就労型の在留資格で在留する外国人に比べて、地位・身分型在留資格で在留している外国人の方が生活において日本との関わりが深い為、入国を拒否することは人道上配慮されるべきだからです。

日本の利益や安全を害する恐れがある

以下に該当する外国人は日本に上陸することは出来ません。

  1. 国や政府を暴力で破壊することを企てたり、主張して過去に退去を強制させられた人
  2. 国や政府を暴力で破壊することを企てたり、主張する人
  3. 国や政府を暴力で破壊することを企てたり、主張する政党・団体を結成したり、加入している人
  4. 国や政府を破壊する目的を達成するために印刷物、映画、その他文書等を作成し、配布や展示することを企てる人
  5. 日本の国益又は安全を害する恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある人

 

最後は、日本にとって好ましくない行動をとる可能性がある外国人の入国を拒否する為に設けられた事項です。

 

上記のような外国人の入国を許可すると、日本の国益は愚か、公安を脅かす可能性もあるので上陸を認めていません。

上陸拒否事由に該当する場合は
どうすればいい?対策は?

 

上記で紹介した上陸拒否事由に1つでも該当する場合には、日本への上陸が許可されないのが原則です。

 

しかし、どんな事情があっても一切上陸を認めないとしてしまうと、人道上の観点から不合理な結果となってしまう可能性もあります。

 

そこで、上陸拒否事由に該当する場合でも、特別に上陸を許可してもらえる制度が設けられています。

 

それが「上陸特別許可」と「上陸拒否の特例」です。

 

ポイント

  • 上陸特別許可・・・「入国審査官⇒特別審理官⇒法務大臣」という順番で手続きを経ることで、上陸が特別に許可される制度。
  • 上陸拒否の特例・・・「上陸特別許可」の手続きをより簡単にし、入国審査官の手続きを経るだけで上陸が特別に許可される制度。

 

だから、もし上陸拒否事由に該当してしまい、どうしても日本に入国したいのであれば、上陸特別許可か上陸拒否の特例により、特別に上陸を認めてもらう必要があります。

 

上陸拒否事由に該当する外国人が
日本に入国する場合

上陸拒否事由に該当するけど日本に入国したい場合、基本的にはいきなり空港で上陸特別許可の申請を行いません。

 

その場合には、事前に上陸拒否事由に該当することを入国管理局に対して明らかにした上で、上陸拒否の特例を前提とした在留資格認定証明書交付申請を行います。

 

その際には、上陸拒否事由に該当するものの、上陸を特別に認めてもらう事情(日本に家族がいて、家族と生活を共にするため等)があることをしっかりと主張する必要があります。

 

逆に言うと、特別に上陸を認めるべき事情がない場合には、上陸拒否の特例を前提とした在留資格認定証明書は交付されません。

上陸拒否事由に該当するが
日本から出国し、再入国したい場合

既に日本に滞在していて、一時的に日本から出国し、上陸拒否事由に該当するけど再入国したいというような場合にはどうすればいいのでしょうか?

 

この場合には、日本から出国する前に、事前に上陸拒否事由に該当することを明らかにした上で再入国許可申請を行い、再入国許可を受けた上で出国します。

 

そうすることで、再入国の際に空港で上陸拒否の特例の適用を受けて、日本に上陸することができるようになります。

 

ただし、再入国の許可を受ける場合には、日本から出国しなければならない事情や、再入国を認めてもらう特別な事情がある事が大前提として必要です。

上陸拒否事由の種類と
該当する場合の対策まとめ

この記事のまとめ

  • 上陸拒否事由に該当すると原則として日本に入国できない
  • 上陸拒否事由に該当する場合でどうしても日本に上陸したい場合には「上陸特別許可」と「上陸拒否の特例」を受ける
  • 「上陸特別許可」と「上陸拒否の特例」を受けるには上陸を認めてもらえるだけの特別な事情が必要
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長島 雄太

長島 雄太

行政書士兼ウェブマーケター。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。

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