行政書士

未来はAIによって行政書士がなくなる?行政書士の将来性を考察!

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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2014年にオックスフォード大学(イギリス)のマイケル・A・オズボーン准教授が「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文を発表し、その論文で『10年後になくなる702種類の職種』が紹介されたことで世界中でかなり話題になりましたね。

 

勿論、日本国内でもテレビやネットニュースなどでたくさん取り上げられたので、知っているのではないでしょうか?

 

ま~、普通に考えれば今後AIや科学技術の発展に伴って、今ある仕事の中で将来的になくなっていく仕事が増えていくことは間違いないでしょう。

 

では、そんな中で行政書士という仕事は5年後、10年後の未来になくなっているのでしょうか?

 

結論から言うと、5年程度の短期的な将来であればなくならない可能性が高いですが、10年後、20年後の長期的な将来においてはなくなっている可能性がかなり高い職業だと言えます。

 

ただし、10年後、20年後の長期的な将来においては行政書士以外のあらゆる職業においてもなくなっている可能性があり、行政書士だから10年後、20年後は食べていけなくなるという話ではなく、どんな仕事もなくなる可能性があるのです。

 

以下では、堀江貴文氏と落合陽一氏の共著であるベストセラー書籍『10年後の仕事図鑑』の内容を踏まえた上で、行政書士という職業が『10年後になくなるのか?』や『行政書士の将来性』について考察し、10年後、20年後も生き残っていく為にはどうすべきなのかについて紹介していきます。

 

行政書士は5年後は
まだなくなっていない可能性が高い

まず、大前提として行政書士という職業は5年後になくなっている可能性は極めて低いと言えます。

 

なぜなら、今のところ日本という国自体が行政書士のような士業の仕事を減らさないようにしようと考えているからです。

 

2019年末に第四次安倍内閣でIT担当大臣にハンコ議連会長の竹中直一氏が就任し、世間ではかなり話題となりました。

 

なぜ、今回のIT大臣の就任が話題となったかというと、ITとは真逆の人物が大臣として就任したからです。

 

そもそも、IT化というのは新技術を利用して申請等の各種手続きをオンライン化して手続きを簡易化することが目的であり、オフラインで1つ1つ手作業で行うハンコとはベクトルが逆方向です。

 

それにもかかわらず、ハンコ議連の会長がIT担当大臣として就任するという事は、IT化とは逆行したの超アナログなハンコを使い続ける事を意味するからです。

 

つまり、本来であればオンラインだけで完結する各種手続きに関してもハンコを必要とするので、IT化は進まずに現状の仕組みが継続すると考えられるからです。

 

そして、申請等の各種手続きの仕組みが現状のまま継続されることで、ハンコ業界はもちろん、ハンコを押すことや行政などからハンコを貰う事を仕事とする職業(弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、弁理士、行政書士)が守られることになるのです。

 

AIやインターネットだけのオンラインで完結させた方が確実に効率的であるにもかかわらず、敢えてハンコというアナログを残すというのは、政治的な力でそうなっているのか、国が雇用を守るためにそうしているのかは分かりません。

 

しかし、どちらにしても2019年現在の行政の中枢がこのような考えである以上は、5年程度で国の方針が大きく変わると思えないので、行政書士の仕事はなくならない可能性が高いという事が出来るわけです。

 

注意

コロナウイルスの影響でデジタル化が更に急ピッチで進むことが予想され、5年後でも行政手続きがかなり簡素化される可能性が出てきています。詳しくは最後の追記部分をご確認ください。

行政書士は
10年後、もしくはそれ以降の未来には
AIによりなくなる可能性はかなり高い

短期的には行政書士という職業はなくならないにしても、10年以上先の長期的な視点で見るとなくなる可能性は高い職業だと思います。

 

冒頭でも紹介した『10年後になくなる702種類の職種』で挙げられている“なくなる仕事”に共通している特徴は、やはり何といってもAI・ITで代替えしやすいという言う点です。

 

今後どんどん人口が減り、世界No1の超高齢化社会である日本においては、ますます人手不足が予測されるなかで、AIやITで代替え可能な職業というのはどんどんIT化されていくことになるでしょう。

 

つまり、行政書士の業務が機械やAIで代替え可能であれば、将来的になくたってしまう可能性が高い職業であると言えるわけです。

 

では、行政書士の仕事はどのようなモノかというと、以下のような仕事をメインとしています。

  • 建築業許認可等の申請
  • 自動車登録関連
  • 日本国籍・在留資格取得申請
  • 外国人雇用手続き
  • 運輸関連
  • 電子申請・電子調達

これらは依頼主に変わって官公署などの公的機関に許認可等の申請をするという業務であり、現在は手続きが複雑で法律に関する専門的な知識を必要とします。

 

しかし、今後はこういった申請手続きはIT化が進む中で全てオンライン化され、専門知識がなくても許認可等の申請が簡単にできるように変わっていくことが予想されます。

 

となると、今までは専門知識が必要だから行政書士に依頼していた人達も、自分で簡単に許認可等の申請を出来るのであれば、わざわざ高いお金を出して行政書士に依頼しなくてもよく、行政書士の仕事が減ってくことが容易に想像できます。

 

補足

2019年12月20日に閣議決定で行政手続きの電子化推進が決定されました。具体的には、窓口にいく必要のあるパスポート申請をネットで完結できるなど、段階的にオンライン化をすすめていくものです。計画としては2018年度に約9億8000万件ある行政手続きのうち、2024年度には8億9000万件にあたる9割の行政手続きをオンライン化する計画をしているようです。

オンライン化が進んだ場合に完全に行政書士の仕事がなくなるのかどうかは定かではありませんが、記事で紹介していた以上に行政書士の仕事が減る可能性は高くなってきたかもしれませんね。

行政書士の将来性を悲観する必要はない!

 

ここまでの内容を振り返ると、行政書士という職業を10年、20年という長期的な視点で見た場合には、なくなっている可能性は十分にある職業なので悲観してしまうかもしれません。

 

でも、ハッキリ言って悲観する必要は一切ありません。

 

なぜなら、本当に行政書士がなくなるかどうかというのは、10年後20年後になってみないと分からないからです。

 

実際に、『10年後の仕事図鑑』でも堀江貴文氏が以下のように言っています。

 

『なくなる仕事リスト』なんて血液型占いぐらいの精度しかない。

皆さんが今常識だと思っていることも、5年後、10年後には常識ではなくなっている可能性が多々ある。目まぐるしいスピードで社会が変化していくのだから、誰も数年後の未来を正確に言い当てることなどできない。

引用:堀江 貴文; 落合 陽一. 10年後の仕事図鑑 (Kindle の位置No.996-998). SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

 

つまり、AIやIT技術、ビジネスに関して最先端の知識を持っている堀江貴文しですら、10年後の未来を予測することは出来ないので、本当に今後行政書士という職業がなくなってしまうのかどうかは誰にも予想が出来ないのです。

 

もしかしたら、グローバル化が進んだりAIやITなどの技術が進歩することで、行政書士の新たな仕事が生まれる可能性も十分にあります。

 

例えば、最近でいうと外国人労働の受け入れによる申請の増加や、ドローン飛行許可申請、民泊申請等のこれまでとは違った行政書士業務でたくさん仕事が出てきたりするかもしれません。

 

つまり、10年先に行政書士があるかどうかを心配するよりも、時代が進化しても行政書士として、そして起業家として生きていけるスキルを身につけることの方が大切なのです。

10年後の未来も
行政書士として生きていく為には
“代替え不可能な存在”になること

 

今後、ますますIT化が進んでいくと様々な手続きは簡易化されて行政書士の仕事が減っていく可能性はかなり高く、そうなると行政書士業界は競争が激化することが予想されます。

 

そういった、競争が激化するなかで行政書士として生き残っていく為には『10年後の仕事図鑑』でも言われているのですが、他者に代替え不可能な存在になるという事が最も大切だと言えます。

 

具体的には、世の中の100万人に1人のレアな人材になることが挙げられています。

 

100万人に1人のレアな人材には価値があるので、他者はもちろん、AIや機械に代替えされる心配はありません。

 

ただ、100万人に1人となるとプロ野球選手やサッカー選手のように生まれ持った才能がある人が、努力を重ねてようやくたどり着く頃が出来る領域なので、冷静に考えると100万人に1人の存在になるのは相当難易度が高いです。

 

では、どのようにして100万人に1人のレアな存在になるのかというと、3つの分野で100人に1人のスキルを身につけることで『100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1』のレアな存在になれるというわけです。

 

となると、行政書士として100人に1人の存在になり、それ以外の2つの分野で100人に1人のスキルを身につけられれば、10年、20年先でも行政書士として生き残っていくことは可能だというわけです。

 

ま~、IT化が進む中で多くの職種で仕事が減っていくので、独立して自分で仕事をしするなら行政書士に限った話ではなく他の業種においてもレアな人材になることは必須ですが。

【まとめ】
行政書士の将来性を心配するよりも
希少性の高い存在になる

 

これから行政書士を志そうとしている場合には、今回の記事を読むことで行政書士の将来性はあまり明るくないという事で別の資格や仕事を探そうと思ったかもしれません。

 

もしかしたら本当に、10年後の将来に行政書士という職業はなくなっているかもしれませ。

 

しかし、これは行政書士に限った話ではなく、弁護士や司法書士、税理士などの同じ士業の職種だけではなく、販売員・営業マンやトラックドライバー、飲食店のスタッフに至るまでいろいろな職業に関しても同じようなことが言えるのです。

 

だから、“どんな職業に就くか?”が重要なのではなく、“どんな存在になるのか?”という点にフォーカスすることが今後ますます重要になってくるわけです。

 

逆に言うと、自分が100万人に1人のレアな存在になれる自信がない場合には、行政書士として10年、20年先も生きていくことは厳しいかもしれませんね。

追記:アフターコロナの世界での行政書士

新型コロナウイルスの猛威が世界を覆い、コロナウイルスが蔓延する前の世界と、コロナウイルスが蔓延した後の世界(アフターコロナ)では描く未来が大きく変わりました。

 

この記事を書いた当初は2019年の12月で、IT担当大臣がハンコ議連会長なので、まだもう少し行政手続きは5年程度は現状のまま続きそうだと紹介していました。

 

しかし、それからわずか4カ月が経過し、新型コロナウイルスの影響で世界は一変しました。

 

コロナウイルスの影響で在宅ワークに拍車がかかったものの、ハンコを貰うためだけに出社しなければならず、その出社が感染拡大を助長する要因となってしまっているのです。

 

こういった状況を受けて、IT担当大臣でハンコ議連会長の竹中直一氏もデジタル化によって「脱ハンコ」を進める意向を示しました。

 

竹本直一IT政策担当相は24日の記者会見で、押印を前提とした民間の商慣行の見直しを推進する考えを示した。

引用:時事ドットコムニュース

 

また、防衛省の河野防衛大臣も以下のように発言されています。

 

ハンコは日本の文化だが、業務の効率化を考えるとサイバー、新領域だと言っているなかで防衛省が率先してやらないといけない

引用:テレ朝newe

 

つまり、これは行政が主導して脱ハンコを進めていくということであり、行政手続きに関しては脱ハンコがかなり急ピッチで進められる可能性が出てきているわけです。

 

ですので、今後は行政手続きが簡素化されて、行政書士の仕事が減るスピードも従来よりも早くなることが予想されます。

 

とはいえ、何度も言うように行政書士という職業だけではなく、いろいろな職業においてビフォーコロナでは当たり前だった仕事が、アフターコロナではなくなっていくことでしょう。

 

そんな目まぐるしく変化する世界の中で生き残ることが出来るのは、凄い資格を持っている人でも、一流企業に勤めている人でも、強い人でも、賢い人でもなく、変化に適用できる人です。

 

そして、変化に適応できる人こそが多くの人から求められる存在になるのではないでしょうか?

 

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長島 雄太

長島 雄太

行政書士兼ウェブマーケター。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。

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